マレーシア政府は10月9日の2027年予算演説で、月額最低賃金をRM1,700(約6万5,500円)からRM2,000(約7.7万円)へ引き上げる方針を発表した。実施予定は2027年6月で、政府は400万人を超える労働者が対象になるとしている。引き上げ幅は約17.6%だ。
共同利用型オフィスを運営するWORQの共同創業者兼最高経営責任者(CEO)、ステファニー・ピン氏は、企業が賃金上昇に備えるとともに、政策支援を実際の生産性向上につなげる必要があるとの見方を示した。
2025年の改定から約17.6%引き上げ
現行のRM1,700(約6.55万円)は、2025年にRM1,500(約5万7,800円)から引き上げられた水準だ。従業員数などに応じて同年2月と8月に段階的に適用された。今回のRM2,000(約7.7万円)は、2025年の改定に続く引き上げとなる。
最低賃金は手当や歩合給などを除く基本給の下限を指す。約17.6%は下限額の上昇率であり、全ての従業員の賃金が同じ割合で増えることを意味しない。

中小零細企業には新水準の適用除外
政府は年間売上高がRM5,000万(約19億2,600万円)未満の中小零細企業を、新水準の適用から除外する方針だ。事業モデルを調整する時間を設けるためとしている。2025年の改定時は従業員数などを基準に導入時期を分けており、今回とは条件が異なる。
ピン氏は10月21日付のThe Sunで、除外措置により小規模企業が費用や事業モデルを見直せると述べた。政府の支援策についても、利用できるだけでは生産性は高まらず、職場での活用や実務を通じた研修が必要だとの見方を示している。
実施条件の具体化が次の確認点
政府が示したのは2027年6月からの引き上げ方針である。人的資源相は、インフレや物価への影響を検討したうえでRM2,000(約7.7万円)という水準を決めたと説明した。今後は適用除外の期間や対象企業の判定方法など、実施時の具体的な条件を確認する必要がある。
円換算について
円換算は、2026年10月22日に確認したInvesting.comのMYR/JPYレート(1リンギット=38.5238円)を小数第2位に丸め、1リンギット=38.52円で計算した。日本円額は概算。過去の金額も同じレートで換算しており、当時の円換算額を示すものではない。
出典を見る(5件)
マレーシア財務省「2027年予算演説」(2026年10月9日)
マレーシア統計局「Minimum Wage: The Impact on the Economy」(2026年6月)
The Sun「Budget 2027 lays foundation for business growth」(2026年10月21日)
Bernama「RM2,000 Minimum Wage Set After Careful Evaluation」(2026年10月16日)
Investing.com「MYR/JPY 過去データ」(2026年10月22日確認)
グラフの出典・集計条件
2025年は小規模雇用主などに同年8月までの適用猶予。2027年は年間売上高RM5,000万(約19.3億円)未満の中小零細企業を適用除外とする方針。出典:政府の2025年予算演説・2024年最低賃金令・2027年予算演説(2026年10月22日時点)。円換算は2026年10月22日確認、1RM=38.52円。
