マレーシアのアクマル・ナスルラー経済相は10月5日の下院答弁で、65歳以上の人口割合が2048年に14%に達し、「高齢社会」へ移行する見通しを示した。7%に達した2021年から27年間での移行となる。
政府は高齢化への備えに関する白書と国家行動計画について、閣議承認を得たうえで今会期中の提出を目指すと説明した。日本の介護サービス・関連用品を扱う企業にとっても、市場と制度の変化を把握する材料となる。
高齢者の割合は上昇、医療・介護への備えが課題
マレーシア統計局の2025年人口推計では、65歳以上の割合は8.0%で、2024年の7.6%から上昇した。一方、14歳以下は22.2%から21.6%へ低下している。2048年の14%は将来の見通しであり、現在の水準とは異なる。
経済相は、労働力の伸びの鈍化、退職後の貯蓄不足、医療・介護の必要性の高まりを課題に挙げた。先進国が高齢化した時期より所得水準が低い中で、対応を進める必要があるとの認識も示している。
日本企業は施設運営や用品販売の条件を確認
日本貿易振興機構(ジェトロ)は2025年9月、マレーシアの高齢者産業に関する調査報告書を改訂した。介護施設の設立手続き、介護用品の輸入・販売制度、人材育成などを整理しており、日本企業との接点は施設運営だけに限られない。
ただし、高齢者人口の増加だけで事業の採算性は判断できない。経済相が指摘する所得や貯蓄の問題を踏まえれば、進出検討では利用者の支払い能力と提供価格を見極める必要がある。介護サービスと用品販売でも、確認すべき規制は異なる。
白書の具体策と事業ごとの参入条件が確認点に
経済相は、高齢者向けの商品・サービスからなる「シルバーエコノミー」を新たな成長分野と位置付けた。一方、GDPへの貢献を測るには定義や統計手法の統一が必要で、基準値や目標の設定に先立ち、統計局などと指標を検討すると説明した。
今回の答弁は、個別企業への補助金や参入条件の緩和を決めたものではない。企業が確認すべきなのは、白書・行動計画の正式な内容と、自社のサービスや製品に適用される許認可・販売条件である。
人口推計2025の日本語図解
以下はマレーシア統計局(DOSM)の資料を基に、Awww partnersが作成した日本語参考訳です。各画像をクリックすると拡大表示できます。
1.マレーシアの人口構成(2025年)

2.州・地域別の人口と年齢構成ランキング

3.州・地域別の人口と主要人口統計

4.州・地域別の人口動態指標

5.国勢調査年別の人口と人口動態指標

出典を見る(3件)
マレーシア下院「2026年10月5日議事録・経済相答弁」(公開ドラフト)
マレーシア統計局「Current Population Estimates, Malaysia, 2025」
ジェトロ「マレーシアにおける高齢者産業のエコシステム形成に向けた調査」(2025年9月改訂版)
グラフの出典・集計条件
出典:DOSM「Current Population Estimates, Malaysia, 2025」1ページ。2025年は暫定値。2020年人口・住宅センサスに基づく2024〜2025年の年央人口推計。四捨五入により合計が一致しない場合がある。年齢中央値は2024年30.9歳から2025年31.3歳に上昇。日本語図表再構成:Awww partners。
原資料1ページ目/全5ページ。出典:マレーシア統計局「マレーシア人口推計2025」。日本語参考訳:Awww partners。

