マレーシアの企業向け電気代は変わる?2027年の燃料費調整見直しを検討

マレーシア政府は10月27日、電力料金に燃料費などの変動を反映する「自動燃料費調整(AFA)」について、2027年から利用者区分に応じた段階的な仕組みを導入する案を検討していると明らかにした。企業向け料金の引き下げや具体的な適用条件が決まったわけではない。

燃料価格の上昇を受け、利用者区分ごとの保護を検討

ファディラ副首相兼エネルギー移行・水改革相が、2027年予算案の国会審議で説明した。エネルギー移行・水改革省と、電力・ガスを監督するエネルギー委員会が制度を検討している。

同氏によると、2026年第2・第3四半期はガス・石炭価格が想定を上回り、発電コストが上昇した。水力発電の減少や石炭火力発電所の計画停止によって、輸入液化天然ガスへの依存が高まったことも背景にあるという。

AFAは2025年7月に導入、発電費用の変動を毎月反映

エネルギー委員会によると、マレー半島部では2025年7月に、それまでの燃料費調整制度に代わってAFAが導入された。燃料価格や電力購入費などの変化を、毎月の料金調整に反映する仕組みである。

電力料金は、設備投資や送配電などの費用を含む基準料金と、AFAによる調整を組み合わせて決まる。このため、電気の使用量が同じでも、発電コストの変動によって請求額が変わる場合がある。今回の検討は、既存制度の見直しに当たる。

家庭向けの800kWh免除と企業向け条件は別

政府は別途、2026年9〜12月の家庭向け軽減措置について、月間使用量の免除対象上限を600kWhから800kWhへ拡大した。対象はAFAの追加料金、小売料金、売上・サービス税(SST)であり、電気代全体が無料になる措置ではない。

これは家庭向けの対応で、工場や店舗、オフィスにも同じ免除条件が適用されるという発表ではない。日本企業が現地拠点の費用を見積もる際も、家庭向けの条件と分けて確認する必要がある。

企業は契約区分と毎月の調整額を確認

現時点では、新たな区分ごとの負担や開始時期の詳細は公表されていない。企業にとっての確認点は、自社の契約区分が見直しの対象となるか、AFAの計算や免除条件がどう変わるかである。

翌年の電力予算では、使用量と毎月のAFA調整を分けて把握し、料金軽減を前提にしない見積もりが適切だ。マレー半島部を対象とする制度のため、サバ州・サラワク州の拠点に同じ条件を当てはめることも避けたい。

出典を見る(3件)

BusinessToday「Govt Mulls Phased Electricity Fuel Adjustment Mechanism From 2027」(2026年10月27日)

マレーシア・エネルギー委員会「Incentive-Based Regulation(IBR)」

同「Components of IBR」

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