マレーシアの税優遇、現地調達も評価対象に|外資に求める取引先育成と雇用への貢献

マレーシアのスティーブン・シム起業家・協同組合開発相は、外国企業の投資が地元の中小企業にも利益をもたらすよう、現地の取引先育成や供給網の強化を重視する考えを示した。The Sunが2026年10月28日、前日の税務セミナーでの発言を報じた。

背景にあるのは、投資先の業種だけでなく、雇用や技術移転などの成果を評価して税優遇を決める「新投資優遇制度(NIF)」である。マレーシアで製造拠点を設ける日本企業にも、調達・人材計画と税務を併せて考える必要がある。

大型投資の恩恵を地元の中小企業へ

シム氏は、高賃金の雇用創出や地元企業の育成を、投資が生むべき成果として挙げた。大規模な外国投資を呼び込むだけでなく、中小企業が大企業や多国籍企業の取引先となる機会を広げたい考えだ。

今回の報道は、外資企業すべてに新たな現地調達比率を一律に義務付ける発表ではない。税優遇と国内経済への貢献を、より強く結び付ける政策方針を説明したものである。

製造業では3月から新制度、既存の承認は継続

マレーシア投資開発庁(MIDA)によると、製造業では2026年3月1日以降の新規優遇申請からNIFによる審査に移行した。既に承認された優遇措置は、承認時の条件に従って継続する。

評価には「NIAスコアカード」と呼ぶ指標を使い、雇用の質、技術移転、国内供給網とのつながりなどを確認する。対象業種に該当するかに加え、投資によってどのような成果を実現するかが重要になる。

日本企業も調達・育成計画を申請前に整理

製造業向け指針には、現地の原材料・部品を使う割合や、取引先育成への参加が評価項目として示されている。この現地投入比率には、生産用の機械・設備は含まれない。

日本企業が優遇申請を検討する際は、設備投資額だけでなく、現地調達先の選定や育成計画も整理しておきたい。承認後も条件への適合が確認されるため、申請段階で約束する内容と、実際に継続できる取り組みをそろえることが実務上の確認点となる。

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