マレーシアのオンライン眼鏡店「100glasses」は、度付きレンズを含む眼鏡をRM49(約1,900円)から販売している。実店舗での販売を中心とせず、既存の眼鏡製作設備を活用することで、手頃な価格を打ち出している。
眼鏡は実物の掛け心地を確かめたい商品だが、同社はオンライン上の試着機能で、その不安に対応する。一方、購入者自身が処方情報を用意する必要があり、返品にも条件がある。低価格と利便性を両立させるために、どの工程を自社で担い、どこを外部に委ねるかが、この事業の特徴である。
既存の製作設備とオンライン販売を組み合わせる
100glassesの公式サイトによると、同社の事業は、オンライン販売の構想と、ジョホール州にある既存の眼鏡製作設備を組み合わせて始まった。創業者のジョーダン・キー氏と、製作を担うマイク氏が、それぞれの経験や設備を持ち寄った形だ。
Vulcan Postの取材で、同社は実店舗にかかる家賃や人件費などを抑えることが、低価格で販売するうえでの考え方だと説明している。
商品の入口価格を下げる一方、購入者は必要に応じてレンズの機能を追加できる。基本商品を選びやすくしながら、希望に応じて仕様を広げる販売方法である。
試着の不安にはオンライン機能で対応
眼鏡のオンライン購入では、自分の顔に似合うか、掛け心地が合うかを事前に確かめにくい。100glassesは、画像を使って眼鏡を試せる機能を用意し、このうち見た目に関する不安を減らそうとしている。
ただし、画面上で見た印象と、実際に掛けたときの感覚は同じではない。Vulcan Postによると、同社は実物を試せない課題に対応するため、期間限定の出店も検討しているという。現時点では計画段階の話であり、実施が決まったものではない。
処方情報の取得と返品には条件も
購入者は、自分に合った度付き眼鏡を注文するため、処方情報を用意する必要がある。同社のFAQは、眼鏡店や眼科などで処方情報を取得できると案内している。
また、同社の返品方針では、度数に合わせてレンズを加工するため、「思っていた色と違う」「似合わなかった」といった購入者都合の返品・返金は受け付けていない。製造上の欠陥については、条件付きで1年間の保証を設けている。
オンライン販売を検討する企業にとっては、価格や試着機能だけでなく、購入前に必要な情報と返品条件を分かりやすく伝えることも、事業設計の一部だと分かる。
成長性の判断には販売実績の継続確認が必要
Vulcan Postによると、同社は取材時点で事業開始から約10カ月だった。100glassesは、眼鏡を長期間使う実用品としてだけでなく、服装や場面に合わせて選ぶ商品としても提案している。
一方、売上高や利益、継続購入率は今回確認した資料からは分からない。そのため、事業の成功を数字で評価するには、今後の実績を待つ必要がある。
それでも、既存設備の活用、オンラインでの試着、基本商品と追加機能の組み合わせは、商品販売の仕組みを考えるうえで参考になる。低価格を提示するだけでなく、顧客が購入前後に負う手間も含めて設計している点が、この事例の注目点である。
円換算について
日本円は2026年10月29日のMYR/JPY終値、1リンギット=38.8496円(Investing.com、10月30日確認)で概算し、100円単位で四捨五入した。実際の両替額とは異なる。
出典を見る(5件)
Vulcan Post「Glasses are too expensive, so these M’sians started a biz that sells them for RM49+」(2026年10月29日)
100glasses「Our Story」
100glasses「Frequently Asked Questions」
100glasses「Return, Refund & Warranty Policy」
Investing.com「MYR/JPY 過去データ」
