マレーシア政府は、2027年1月1日から、一部の外国人駐在員の配偶者に国内での就労を認める方針を発表した。アンワル・イブラヒム首相兼財務相が2026年10月9日、連邦議会下院での2027年度予算案の説明で明らかにした。
対象は、雇用パスのカテゴリーIを保有する外国人の配偶者で、扶養家族パスを持つ人である。所定の条件を満たすことが前提となる。配偶者がキャリアを断念せずに済む環境を整え、優秀な外国人人材を呼び込む狙いがある。マレーシア財務省の予算演説
対象はカテゴリーI保有者の配偶者
雇用パス(Employment Pass、EP)は、外国人がマレーシアの企業などで働くための就労許可である。今回の措置では、そのうちカテゴリーIの保有者に帯同し、扶養家族パス(Dependant Pass)で滞在する配偶者が対象となる。
マレーシア投資開発庁(MIDA)によると、2026年6月1日に施行された制度改定で、カテゴリーIの最低月額給与はRM2万(約78万円)となった。同日以降の新規・更新申請には、新しい給与基準が適用される。この金額は駐在員本人の雇用パスの基準であり、配偶者の就労に必要な給与として発表されたものではない。MIDAの制度改定案内
配偶者のキャリア継続を人材誘致につなげる
アンワル首相は、配偶者が自身のキャリアを諦めることなく、優秀な人材がマレーシアを働く場所として選べるようにすることが、今回の措置の目的だと説明した。
政府は予算演説で、海外企業が事業を展開し、専門性の高い人材を受け入れやすい環境の整備を掲げている。配偶者の就労容認も、その一環として示された。
就労条件や申請方法は追加の説明が焦点
予算演説では、就労を認めるにあたり「所定の条件に従う」としている。一方、対象となる職種、申請方法、必要書類などの具体的な手続きは示されていない。また、カテゴリーII・IIIの雇用パス保有者の配偶者は、今回の措置の対象として明記されていない。
実施予定日は2027年1月1日だが、実際にどのような条件で働けるようになるかは、関係当局が示す運用内容を確認する必要がある。マレーシア財務省の予算演説・第143項

