S&Pグローバルが11月2日に発表した2026年10月のマレーシア製造業購買担当者景気指数(PMI)は、前月の49.9から51.0に上昇した。景況感の改善と悪化を分ける50を上回り、製造業の事業環境は再び改善した。
新規受注と生産が増え、海外からの需要も持ち直した。一方、原材料や輸送にかかる費用の上昇に加え、港湾の混雑などによる納期の遅れが続いている。
受注と生産が増加、AI関連の需要も支えに
PMIは、企業の購買担当者への調査を基に、前月と比べた事業環境の変化を指数化したものだ。50を上回ると改善、下回ると悪化を示す。生産額の増減率そのものを表す数字ではない。
10月は新規受注が増加に転じ、企業は生産を拡大した。S&Pグローバルの担当者は、AI関連製品への需要の強まりも受注を支えたとの見方を示している。雇用も3カ月連続で増えた。
9月は50を下回り、10月に持ち直し
製造業PMIは2026年8月の50.2から、9月には49.9へ低下していた。9月は新規受注や生産が弱含み、3カ月続いた事業環境の改善がいったん途切れていた。
10月の51.0は、2026年4月以来の高い水準となった。もっとも、PMIは前月からの変化を示す指標であり、今回の数値だけで今後の生産拡大が続くと判断することはできない。
原材料・輸送費が上昇、納期の遅れも続く
需要が改善する一方、10月は製造に必要な原材料や輸送などの費用が上昇し、製品の販売価格も上がった。調査回答企業は、輸送費や原材料費が上昇した要因の一つとして、中東情勢を挙げている。
また、原材料などの調達先からの納期は11カ月連続で悪化した。遅れの程度は9月よりやや緩和したものの、港湾の混雑が引き続き課題となった。
マレーシアから部材や製品を調達する企業にとっては、取引先から提示される価格や納期の変化が確認点となる。調査では、今後の事業見通しに対する企業の信頼感も6カ月ぶりの低水準にとどまった。
