マレーシア統計局が10月19日に発表した2026年9月の輸出額は、前年同月比54.5%増のRM2,151億1,300万(約8兆2,600億円)だった。月間として過去最高となり、電気・電子製品が輸出増をけん引した。
同月の輸入も52.7%増えたが、輸出から輸入を差し引いた貿易黒字は64.9%拡大した。輸出の品目と年初からの累計を見ると、今回の増加がどこに集中しているかが分かる。
電気・電子製品が輸出の過半を占める
9月の電気・電子製品の輸出額は前年同月比69.2%増え、輸出全体の51.2%を占めた。前年同月からの増加額は、輸出全体の増加額の約6割に当たる。統計局によると、米国、台湾、シンガポール向けの輸出増も全体を押し上げた。
年間輸出は2023年の減少から回復
マレーシア貿易開発公社(MATRADE)が公表した年間輸出額は、2023年に8.0%減少した後、2024年に5.7%増、2025年に6.5%増となった。2025年は年間の過去最高額である。今回の記録は月間の数字であり、年間実績とは分けて見る必要がある。

図:マレーシアの年間輸出額(2023~2025年、暦年実績、単位:リンギット)。
輸入も増加、貿易黒字は77カ月連続
9月の輸入額は前年同月比52.7%増えた。生産に使う原材料や部品などの中間財が輸入全体の50.8%を占め、69.6%増加した。輸出だけでなく、生産に関わる輸入も伸びている。
輸出の増加額が輸入の増加額を上回ったため、貿易黒字は64.9%増となった。黒字は2020年5月から77カ月連続である。輸入減少によって黒字が拡大したわけではない。
1~9月は34%増、通年値は推計段階
2026年1~9月の輸出額は、前年同期比34.0%増だった。単月の記録に加え、年初からの累計でも増加が続いている。マレーシア財務省は2026年通年の輸出を31.0%増と推計するが、これは9月までの実績とは異なる。

図:2026年1~9月の貿易実績と財務省の2026年通年推計。期間と実績・推計の違いを区別して表示。単位:リンギット。
今後は残る3カ月の実績と、電気・電子製品の伸びが続くかが確認点となる。輸出額は名目金額であり、この伸び率だけで輸出数量や国内総生産の伸びを判断することはできない。
円換算について
日本円は2026年10月23日のMYR/JPY終値、1リンギット=38.3956円(Investing.com、10月25日確認)で概算した。本文の円換算額は100億円単位で丸めている。図の金額はリンギットの原数値を表示しており、円換算額は実際の両替額とは異なる。
出典を見る(7件)
マレーシア統計局「Monthly External Trade Statistics, September 2026」詳細資料
MATRADE「Trade Performance for Year 2023 and December 2023」
MATRADE「Trade Performance for Year 2024 and December 2024」
MATRADE「Malaysia Surpasses RM3 Trillion Trade Milestone in 2025」
Bernama Business「Malaysia’s Exports Surpass RM200 Bln For First Time」
グラフの出典・集計条件
出典:MATRADE各年の貿易実績発表。2026年9月の月間値は含まない。日本円は2026年10月23日の終値、1RM=38.3956円で参考換算。
出典:DOSM・MATRADE、財務省「経済見通し2027」。上段は1〜9月実績、下段は通年推計。円は1RM=38.3956円で参考換算。
