台湾のデータ保存機器メーカーSynologyは10月21日、2026年の東南アジア企業調査についてマレーシアで説明した。現地の回答企業のうち、AIを使ったサイバー脅威への防御と被害後の復旧に「非常に備えている」と答えた割合は10.9%だった。
同社のマレーシア責任者ジェイソン・シン氏は、AIの活用を進める企業には、データの保護と業務を復旧できる体制の両方が必要だとの見方を示した。
10.9%は企業の自己評価
ベルナマ通信が伝えた10.9%は、備えを「非常に」高く評価した企業の割合だ。残る約9割が無対策だったことや、実際に攻撃を受けたことを意味しない。防御試験の結果でもない。
確認できた発表報道には、マレーシアの回答企業数や調査期間、回答選択肢の全体像が示されていない。国内企業全体の備えを表す数字として扱ったり、過去より悪化したと判断したりすることはできない。
復旧への強い自信は26.4%
バックアップを守りながら業務を速やかに復旧できると「非常に自信がある」とした回答は26.4%だった。シン氏は、身代金を要求するランサムウェアがバックアップも攻撃対象にする場合があると指摘した。保存用のコピーがあっても、被害後に使える状態で戻せるかは別の問題だ。
AI導入ではデータの安全性が課題
現地ITメディアHitech Centuryによると、マレーシアの回答者の70%がAI導入の課題にデータの安全性とプライバシーを挙げた。データの品質と利用可能性は42%、データの分散は40%だった。複数回答の課題であり、割合を足して企業の構成比にはできない。
ベルナマ通信は、従業員のAI利用に技術的な制御を積極的に適用していない企業が8割を超えたとも報じた。外部のAIサービスに何を入力したか追跡できるかが、情報管理上の確認点になる。
事故報告の増加と調査結果は別の指標
マレーシアの公的な事故対応窓口Cyber999への報告は、2024年の6,209件から2025年には7,616件に増えた。ただし、詐欺なども含む報告件数で、AIを使った攻撃の件数ではない。企業調査と同じ母集団の数字でもない。
今後は、重要データの管理、従業員のAI利用状況、バックアップからの復旧を実際に確認できるかが論点になる。
