マレーシア投資貿易産業省(MITI)は、2026年1〜9月の対米輸出が前年同期比69.1%増のRM2,820億7,000万(約10兆8,958億円)に達したと説明した。10月27日の国会への書面回答を、マレー・メールが28日に報じた。
AIやデータセンター向けの半導体需要が全体を押し上げた。一方、家具などは輸出が減っており、米国の追加関税の影響は業種によって異なる。

電気・電子製品が対米輸出の約64%を占める
MITIによると、電気・電子製品は対米輸出の約64.2%を占め、そのうち44%が半導体である。同省は、AI関連の需要増に加え、多くの半導体・電気電子製品が追加関税の適用除外となっていることを、輸出拡大の要因に挙げた。
マレーシア統計局の同じ1〜9月の統計から計算すると、輸出全体に占める米国向けの割合は2025年の約14.2%から2026年には18.0%へ上昇した。米国市場への販売が、輸出全体の中でも存在感を増している。
9月単月の主要品目輸出を比較(全世界向け)
参考として、DOSMの9月単月の統計では、全世界向け輸出に占める電気・電子製品の割合は51.2%で、輸出額は前年同月比69.2%増となった。下の図は全輸出先合計の品目別比較であり、上記の対米輸出の1〜9月累計とは対象・期間が異なる。

家具・医療機器は減少、関税負担に業種差
同期間の対米輸出は、家具が前年同期比19.2%減、医療機器が12.0%減、ゴム手袋が1.6%減となった。MITIは、一部の主要産業では販路を維持するため、関税コストの吸収や買い手への値引きを迫られていると説明した。
輸出総額の伸びだけでは、個々の企業の採算は判断できない。販売が増えている分野と、価格面で対応を求められる分野を分けて見る必要がある。
日本企業は適用関税と販売条件の確認を
マレーシアで生産し米国へ販売する日本企業にとっては、自社製品に適用される関税と、取引先から求められる価格条件が確認点となる。今回の伸びは、マレーシア製品全般が関税上有利になったことを意味しない。
MITIは、特定市場への過度な依存を減らすため、自由貿易協定の活用に加え、西アジア、アフリカ、中南米、南アジアなどへの販路拡大を進めるとしている。企業側も、米国向けの需要と利益率を確認しながら、代替市場の条件を比較することが重要になる。
円換算について
日本円は2026年10月27日のMYR/JPY終値、1リンギット=38.6281円(Investing.com、10月28日確認)で概算し、億円単位で四捨五入した。対象期間中の為替レートによる換算額や、実際の両替額とは異なる。
出典を見る(3件)
Malay Mail「Miti: Malaysia’s exports to US surge 69pc despite tariffs, powered by AI boom」(2026年10月28日、BERNAMA配信)
マレーシア統計局「Monthly External Trade Statistics, September 2026」(Table II:輸出先別統計、Exhibit 2:主要品目別輸出。2025年の米国向け構成比・対米輸出増加率は掲載数値から算出)
Investing.com「MYR/JPY 過去データ」(2026年10月27日終値)
グラフの出典・集計条件
出典:DOSM「Monthly External Trade Statistics, September 2026」Table II。掲載7市場の抜粋。2025年の構成比と対米増加率は掲載金額から算出。日本語参考訳・図表再構成:Awww partners。
2026年1〜9月累計の主要輸出先構成比。出典:DOSM「Monthly External Trade Statistics, September 2026」Table IIを抜粋・再構成。2025年の米国向け構成比と対米輸出増加率は掲載金額から算出。日本語参考訳:Awww partners。画像をクリックすると拡大表示。
